2011年5月29日日曜日

第3回医薬品等制度改正検討部会

(レポート:J-CAN片木美穂)

2011年5月27日18時より厚生労働省19階の会議室において第3回医薬品等制度改正検討部会があり、筆者が委員として参加しました。

震災以降の2回はとても狭いお部屋で傍聴者も限られた人数でしたが会場も大きくなり傍聴者も満席でしたが…それでもお断りせざるを得ない方もいたとか…注目の高さが伺えます。

今回は「医療上必要性の高い医薬品等の迅速な承認等について」というテーマと「医薬品の安全対策」についての意見出しがありました。
(資料)http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001aohz.html

【迅速な承認等について】
事務方より、承認審査、開発について・医薬品医療機器へのアクセスについて・臨床試験のあり方について・医療機器の制度のありかたについてということについて概要の説明がありました。

オーファンドラッグについては、先の行政刷新会議において、オーファンドラッグの開発費の支援などを行っている医薬基盤研究所について「国に戻すべき」という結果になったことの報告がありました。

私からは資料をもとに、ドラッグ・ラグのこれまでの歴史と、今は「点」で良くなった面もあるが、どこもが一番臭い問題をとりこぼしていること、患者さんにとって治療の選択肢がある意味を問いかけました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001aohz-att/2r9852000001djmd.pdf
誠にぶしつけではありませんが製薬業界担当者に「薬の開発ができないことで薬事法が障害になっているところはどこか教えてほしい。そして日本の製薬会社だけではなく、ドラッグラグが起きやすい海外のメーカーである米国製薬協や欧州製薬協からも話を聞くべきではないか」と質問を投げさせていただきました。

まだ問題点のあぶり出しだけですが今後薬事法の改正につなげていけたらと思います。

【医薬品の安全対策について】

医薬品安全対策については第2回の方でも意見を先に出させていただいていました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000018rto-att/2r98520000019s3i.pdf

いわゆる個人輸入において多くの危険が潜んでいること。
特に偽薬の問題は世界で問題になっておりIAPO(世界の患者会連合)がWHOに対して対策を求めており、IMPACTという偽薬などの対策にWHOの取り組みに日本も入っています。

やむを得ず個人輸入する場合もありますが、できるだけ正規品が手に入るように守れる施策が必要なように感じています。

国でも、いわゆる個人輸入に関する危険性を啓発をしています
http://www.mhlw.go.jp/topics/0104/dl/tp0401-1b.pdf (個人向け)
http://www.mhlw.go.jp/topics/0104/dl/tp0401-1c.pdf (医師向け)
しかし、こういった国の注意喚起もWEBに情報を挙げている程度では誰にも伝わらないのではという指摘もさせていただきました。

こちらも他の委員からもさまざまな観点から意見出しがされ今後まとめられる方向なので、少しでも良い方向性になるよう頑張りたいと思います。

第20回がん対策推進協議会

(レポート:J-CAN片木美穂)

2011年05月25日9時~開催された第20回がん対策推進協議会を傍聴してきました。
厚生労働省の中では比較的広い9階の省議室での開催でしたが傍聴席は開始前にはすでに満席でした。
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001den5.html

まず、健康局長より、がん対策推進協議会の成り立ちと使命の話があり、そのあとは事務方が進行する形で会長選挙がありました。
門田先生が3期の会長を務められることになりました。

その後、各専門部会の人事についての議論で、小児の専門部会が原委員と檜山委員の職務の交代があった程度で、その他の委員会はそのままで議論をつづけることとなりました。

最後に今後の検討の進め方の議論がありましたが、さまざまな委員から議論してほしい項目についての意見がありましたが、実際は議論の時間が少ないことからどこまで踏み込めるのか不安を覚える内容でした。
患者会の発言では、眞島委員からは希少がんに対する取り組みについて、花井委員からは相談支援について、松本委員からはこれまでに患者さんから集めた声を大切に患者のためになる議論をしてほしいといった旨が伝えられました。

3期委員を務められている読売新聞社の本田委員からは、昨年、5月から10月まで協議会が開催されずその間に次年度のがん対策予算が決まっていたこと、また議論の中間報告ができていたことから、「きちんとした計画をもとに議論が進むこと」が強く求められました。

事務方からの資料ではこの夏ごろまでに、集中した議論を行い(その間に会議ができるのは月1度としても2~3回)、今後5年のがん対策の文言につなげていくことが言われています。

私たち患者会も、過去5年の施策で「継続するべきもの」「もっと力をいれるもの」「見送るもの」をきちんと見極めしっかりと意見を伝えていかねばならないと思っています。

J-CANからも患者委員が3名協議会に参加していますので、是非とも多くの患者さんからお話を聞かせていただきたいと思っていますしそういう場を持てたらと思ってます。