「計画停電」が実施されることになったのを受けて、在宅診療に取り組む医師たちは、人工呼吸器など、電気で動く医療機器を使う在宅の患者に対して、あらかじめバッテリーを用意するなど、準備を徹底するよう呼びかけています。
自分で呼吸を管理することが難しいALS=筋萎縮性側索硬化症などの患者が自宅で使う人工呼吸器は、電気で動いています。このため、停電すると、機械に内蔵されたバッテリーに自動的に切り替わるものもありますが、在宅診療に取り組む医師たちは、あらかじめ外付けのバッテリーを用意して充電しておくなど、停電に備えてほしいとしています。
また、呼吸器の病気などで酸素吸入器を使っている患者に対しても、停電の時間に見合った量の酸素ボンベの本数を用意することなどを求めています。
東京国立市の新田國夫医師は「人工呼吸器などは止まってしまうと命に関わるだけに、患者の多くは停電に備えているが、バッテリーなどの使い方を忘れている場合もある。準備を徹底し、もし不安がある場合には、早めに掛かりつけの医師に相談してほしい」と話しています。一方、電動の医療機器を使う在宅の患者に対して、東京電力は、小さな発電機などを用意し、カスタマーセンターに申し出てもらえば対応するとしていますが、数に限りがあるので、すべてに対応できるかどうかはわからないということです。