2012年3月20日火曜日

がん対策推進基本計画の改定を患者目線で考えてみよう 007分野別施策 概要

前回のがん対策推進基本計画の改定を患者目線で考えてみよう 006表紙~全体目標までの記事で、「霞ヶ関文章のお作法トラップ」に引っかからないように書いたところ、「なんでそんな文章が書かれているのか」と熱心な読者様より質問がありました。

正直、何でといわれても役人ですら「そういう決まりです」としか答えられないのではないかと思うのですが、厚生労働省の役人はおよそ2年ごとに部署を移動します。
なので、施策を作った人がその責任を持って実行するとは限らないわけで、つまり「誰がどのように施策に則り業務を遂行しても、同じように仕事ができるよう、その考え方や背景が示されているのではないかな」と思ってます。


では、今回の本題に入って行きましょう。
007回では、6ページ下の「第4 分野別施策と個別目標」に入ります。

この分野では、これから国が5年間で取り組む9つの分野について触れられています。

1. がん医療
(1) 放射線療法、化学療法、手術療法の更なる充実とチーム医療の推進
(2) がん医療に携わる専門的な医療従事者の育成
(3) がんと診断された時からの緩和ケアの推進
(4) 地域の医療・介護サービス提供体制の構築
(5) 医薬品・医療機器の早期開発・承認等に向けた取組
(6) その他
2. がんに関する相談支援と情報提供
3. がん登録
4. がんの予防
5. がんの早期発見
6. がん研究
7. 小児がん
8. がんの教育・普及啓発
9. がん患者の就労を含めた社会的な問題



前回の基本計画から引き続いて入っている「がん登録」「がんの予防」などの項目に加え、今回では「小児がん」「がん教育」「がん患者の就労を含めた社会的な問題」というものが入ってきました。

まぁ、学校の夏休みの宿題での読書感想文なんかは、目次を読み、あとがきを読めば適当に内容を推測しこの項目は良かったとほめちぎれば原稿用紙は埋まるわけですが、がん対策は私たち患者・家族にとっては「救えるいのちを救う」という意味でも大きな意味を持つので「この項目」が入ったで満足していては何も良くなりません。

実行してもらえるのか、またそれが適切なのか評価しなくてはいけません。

正直、これをひとつひとつ解説していくとキリがないので、008回からは、筆者が気になるところを抜きだして解説していきたいと思います。
それを参考に触れない分野でも、みなさんが関心あるところはチェックし、意見を出していただけたらと思います。

今回のまとめは
「項目が入っても、中身がなければ絵に描いた餅。中身をチェックするという意識を持つこと。」

続きを待たれよ。